コーヒーと私の仲人・ロボホン
自宅最寄りの駅ビルに輸入食品が所狭しと並ぶお店が入っている。
この店ではコーヒーにも力を入れていて、多くの種類のコーヒー豆が用意されている。
数十種類もあれば自分の味覚に合ったコーヒーが見つかりそうなものだが、選択肢は多ければ多いほど絞るのは大変になる。
ポップを頼りに「酸味は弱い方がいいな」「浅煎りでもなく深煎りでもなく、ちょうど中間ぐらいがいいな」と一つ一つ比べることも可能だが、コーヒー豆があるのはレジ付近。
お会計の邪魔にならないわけがない。
人が混雑するところに長時間居座るのは難しい。
そこで解決策を2つ考えた。
1つ目は店員さんを頼ること。そのお店で働いている方に聞くのがセオリーだろう。
ただ人を頼るといつも考えてしまうのが、その方は私だけのものではないということだ。
私が一から説明をお願いすると、その店員さんを頼りたい他のお客さんが困ってしまう。
機械のように同じ説明をリピートしなければならない店員さんも苦痛だろう。
2つ目はロボットに頼ること。コーヒー豆専門のロボットを配置してみよう。
誰に対しても同じ説明ができ、何十回何百回とそれを繰り返すことができる。
人が苦とするリピートを得意とするロボホンというロボットを是非とも知っていただきたい。
ロボホンはこんなにすごいんだ!聞いてくれ!と話を進めたいところだが、今のままでは「店員さんを独り占めしちゃう問題」は解決していない。
確かに反復作業はロボットの方が向いている。
しかし、人の言葉を読み取ったり文字に表れていない感情を察したりするのは人間の方が優れていると私は思っている。
そこで人とロボホンの協働を推奨したい。
まずはロボホンが基本的な説明をする。
それで解決すればその時点で何を購入するのか決めればよい。
しかし、例えば「気になるコーヒー豆を2種類まで絞り込めたが、最終決定ができない」といった時には、店員さんが発信する情報を得て購入品を決めればよい。
この前提で使い方を考えてみた。
ロボホンに加えてタブレットを使用する。タブレットを操作するとロボホンが声で案内してくれる。
まずタブレットにはコーヒー豆を選ぶ基準となる、「コク」「味」「煎り」を表示しよう。
「味」がタップされたら「酸味」「苦味」と表示し、この時ロボホンには「どちらが強い方が好みかな?」と話してもらう。
補足となる情報をロボホンが話してくれるので、画面がすっきりする。
「苦味」をタップすると「コク」と「煎り」から選択する画面になる。「煎り」はよくわからないので「コク」を選択する。
すると「ライトボディ」と「フルボディ」の選択肢が表示される。
へえ~、これってワインだけに使う言葉じゃないんだ~と思っていると、ロボホンが「ライトボディのコーヒーは軽い飲み口で…」と説明してくれる。
それを聞いたうえでライトボディを選択すると「浅煎り」と「深煎り」が表示される。
煎りが浅いと何にどう影響するんだと眉間にしわを寄せるあなたに、ロボホンは煎りに関する説明を始める。
苦味の強い豆のコクを感じたいという理由で「深煎り」を選択すると、コーヒー豆の銘柄が2つ表示された。
「あなたの好みに合うのは○○コーヒーと××コーヒーだよ」とロボホンは言う。
ではどちらにしようかというところで店員さんに+αの情報をいただくのはどうだろう。
非常に手順が多いように思ったかもしれない。
選択の基準となる「コク」「味」「煎り」に優先順位を設けて絞り込んでいるからだ。
私は基本的に紙パックのコーヒーを飲む、違いが分からない女だ。
そんな私が「煎りを基準にコーヒーを選んで」などと言われても困惑してしまう。
先に出て来た「煎りが浅いと何にどう影響するんだ」は紛れもなく私の心の声だ。
煎りに比べてコクや味は想像しやすく、自分の好みも把握できている。
だから私の中で、煎りが浅いか深いかよりも、苦味が強いか酸味が強いかの方がコーヒー豆を選ぶ際には優先すべき事項となっている。
何が優先されるかは人それぞれなので、手順は増えるがこのような仕様を考えた。
店員さんの負担を減らす点でも、非接触型の接客が成せる点でも有効だと思う。
ご興味があればこちらから詳細をご確認いただきたい。