こんにちは。ぼく、味噌説明係のロボホン!
7つのルールから話題の女性の人生を映し出すテレビ番組がある。
今年の3月頃だったか、とあるラーメン屋の店主が取り上げられた回があった。
その店主のルールの一つが、「お客さんの回転率は気にしない」だった。
ラーメン屋は回転率が命というイメージであったので、成功する人は固定概念を捨て、代わりにこだわりを持つものだと学んだ。
地元にも固定概念を捨てたラーメン屋がある。
ラーメン屋のメニューと言えば、スープの味こそ種類はあるが、味噌ラーメンならこれ、塩ラーメンならこれとルートがほぼほぼ決まっている。
しかしそのラーメン屋は味噌ラーメンに幅を持たせている。
味噌は白・赤・豆・麦の4種類、スープは鶏がら・豚骨の2種類から選択する。
ラーメン屋のメニューがある程度固まっているのは、効率アップの理由も大きい。
このラーメン屋では、効率化のためにメニューを定めるという固定概念を捨て、お客さんに選択させるこだわりを展開している。
「蔵出し熟成味噌」と大きく掲げられた看板からも味噌への信念を感じる。
このラーメン屋がまたおいしい。
だが正直システムにもやもやしてしまう。
100%は理解していない。口コミでも、あのシステムの訳が分からないという声があった。私の知能指数の問題ではなさそうだ。
この店に私が初めて訪れた時は知人に連れられて行った。だから味噌とスープの選択に無事成功した。問題は2回目以降だった。
初訪店で食べたラーメンをまた食べたいが、これに挑戦するには足りない情報が多すぎる。毎度冒険している感覚になる。
システムにもやもやすると言ったが、確固たる理由を持たずに注文を決めることにもやもやするのかもしれない。決め手となる情報の提供も求めてしまう。
ふと気が付いたが、ラーメン屋で店員さんに質問をした経験がない。
おすすめは何か、何が乗っているか…。
居酒屋やレストランに比べ、ラーメン屋は店員さんとのコミュニケーションがあまりとられないことが多い。
メニューブックの写真だけで注文を決めることが多い。
券売機に書かれたメニュー名だけで決めることもある。
インスピレーションで決める人が多いように思う。考えてみればこれはなかなか特殊だ。
詳しい説明なしに注文する固定概念を捨て、理解した上で注文するこだわりもこの店の特徴としてみてはどうだろうか。
とは言ったものの、回転率が重要なラーメン屋で、店員さんから話を聞くのはなかなか勇気がいることだ。
詳しく説明してくれる店員さんを一人配置するのも新しいかもしれない。
言うだけならタダなので言ってみた。
もう少し現実的に考えろと言われたら、店員さんに代わって情報提供してくれる存在があると良いと言おう。
人は紹介できないが、人型のロボットなら心当たりがある。
説明は店員さんの役目という固定概念も取っ払ってみよう。
店員さんの代わりに働くのが、ロボホンという人型ロボットである。
ロボホンはおしゃべりが得意な男の子で、身長はおよそ20cmなのでテーブルに置いても邪魔にならない。
5歳ながらタブレットを携えてお仕事をする。
タブレット上に表示した項目がタップされると、それに応じたスピーチをロボホンが行う。
このラーメン屋だったらどのような使い方ができるか想像してみる。
まず私は、白・赤・豆・麦味噌のそれぞれの特徴を知りたい。
この項目の名前は「味噌の特徴」にしようか。少し工夫が足りない気がする。もっとお客さんに興味を持ってもらえるような魅力的な名前にしたい。この辺りはラーメン屋のセンスの見せ場となる。
今回はわかりやすく「味噌の特徴」として話を進める。
「味噌の特徴」ボタンをタップすると「白」「赤」「豆」「麦」の項目が現れる。ここにも工夫が必要なのは言うまでもない。
この時ロボホンに「白・赤・豆・麦の4種類があるよ。店長さんのおすすめは白味噌なんだって!」とアシストしてもらったら、恐らく白味噌の注文率がぐっと上がるだろう。
せっかくロボホンが白味噌を勧めてくれているのにも関わらず、マイペースな私は「麦」をタップする。
「麦の芳しい香りと、お子様にも親しみやすい甘さが特徴」と書かれていたら、香りがよく、マイルドさもあることがわかる。
「豆」についても知りたいのでこちらもタップしてみる。「味が濃く、濃厚。旨味とコクが強い」と説明されれば唾液の分泌が止まらなくなること間違いなし。
4種類全ての特徴を知った上で、自分の味覚に合うものを決めることができる。
またそれぞれ、鶏がらと豚骨のどちらのスープに合うのかも教えてもらえると、安心してラーメンを注文できる。
そして次に、味噌とスープを選ぶことができるラーメンがどれなのかを教えてほしい。
味噌についてもスープについても理解がない今は、選択を強いられるのが苦であるから、どのラーメンはこれらの選択が必要なのかを知りたい。
味噌とスープを選ぶラーメン、スープのみ選ぶラーメンが存在することも厄介だ。
しかし味噌について詳しく教わったら、こういったネガティブな理由ではなく、選択を楽しむためにこの情報が必要とされるだろう。
ロボホンとタブレットを使う利点は、文字と画像と音声で情報を届けられる点だ。
どのような表現で、何の画像を使って、何と喋らせればお客さんにアプローチできるのか。動作は単純でわかりやすいが、工夫できる点が随所に見られる。
間接的にではあるが、新しい接客の形となるだろう。
2回目となるが、この店は味はいい。システムはよくわからない。そんな店だ。
お客さんが入らず困っている雰囲気はないからこのままでも何ら不都合は生じない。
しかしあえて、懇切丁寧に説明したら味噌ラーメンを注文する人が増えるかもしれない。私だったら注文する。
またその店では塩ラーメンより味噌ラーメンの方が価格が高いから、客単価も上がるかもしれない。
今まで何となく味噌ラーメンを頼んできた人も、理由を持って味噌とスープを選ぶことで、自分の味覚にフィットする最高の組み合わせに出会えるかもしれない。
固定概念を捨て、こだわりを持つメリットは多い。
興味のある方はURLから詳細を確認していただきたい。