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大事なのは情報のセンタク

地方で育った私は東京の空気を信用していない。

上京して1年と数ヶ月、洗濯物を外に干したのは数えるほどで、基本的に室内干しで済ませてきた。
車の排気ガスが付着しているであろうアパートの外壁も、何を含んでいるかわからない大気も恐ろしい。

快晴の日でさえもせっせと室内に洗濯物を干す。外に干したらどれだけカラッと乾くだろうと思いながら室内で完結させる。
昨年の夏より風通しも日当たりも悪い場所に住んでいたからなのか、今年の夏は特に思った。

とある休日、バスタオル2枚、敷布団カバー、洋服を何着か洗濯した。
何も考えず洗濯機を回してしまったが、ほどなくして重大な事実に私は気が付いた。
乾かす場所がない。これではいつまでたっても乾かない。
まずバスタオルが乾きづらい。
これはいつものことなのだが、普段であれば重なっているところがなるべく少なくなるよう、また少しでも風通しがよくなるようあの手この手を使っている。
しかしバスタオルが2枚もあるとなると、この秘技は繰り出せない。
そしてさらに敷布団カバーまであるときた。
いったいどこに干すつもりでいたのか、数分前の私に問いたい。
ここは一旦、掛け布団カバーはそのタイミングで洗濯しなかったことに目を向けて心を落ち着かせよう。

バスタオルは他にないがフェイスタオルならいくらでもある。敷布団カバーの替えもある。だからその日を凌ぐ方法などいくらでも見つけられる。

しかし乾くまで時間がかかればかかるほど菌が繁殖してしまうのは気がかりだ。
家から出たくない気持ちよりも菌への懸念が勝った。

そうだ。乾燥機を使おう。

近所のコインランドリーを検索すると数件ヒットした。
ホームページに目を通し、まどろっこしいけどまあいけるっしょ!精神で、候補の中では1番新しく、快適に利用できそうという理由で、自宅から2番目に近いところにあるコインランドリーに行くことにした。

どうせならと、先代のぺっちゃんこ枕と春先まで使っていた毛布も引っ張り出し、大荷物を抱えながら、そして通行人の視線を感じながらコインランドリーに向かった。

上京前、実家に住んでいた時も花粉が飛散する季節は外干しはせず、毎年コインランドリーで乾燥を行っていた。
だから操作に不安はなかった。はずだった。

ドラムリフレッシュボタンも「ああどうも毎年お世話になっておりました」とどや顔で押せたし、洗濯物もきちんと乾くように散らしたし、小銭も暇つぶし用の本も用意してあるし、「ちょっと洒落たコインランドリーに来ちゃったけど何とかなるじゃん。無人営業でも大丈夫でーす」などと思っていた。

さて乾燥を始めようという時に手が止まった。
何分乾燥機にかければこの量の洗濯物は乾ききるのだろう。
そういえば実家にいた頃、母も同じようなことを言っていたなと思った。
「適当に20分でいっか」と200円投入し、20分後に「あ、乾いてない」と追加で100円投入することがよくあった。

10分、20分待って更に10分待つくらいなら許容範囲だが、10分の追加を繰り返した結果1時間かかってしまったらそれくらいかかることを始めから知っておきたかったとなる。
時間を見誤った反省を活かして、始めから1時間乾燥させようと直感で決めた時に限って30分で済んだら不経済だ。
どのくらいの量の洗濯物なら10分の乾燥時間で充分なのか、目安を示してほしい。

店員さんがいない方が緊張感無くリラックスして訪店できるため無人万歳と思っていたが、こういったちょっとしたことを聞ける存在は必要だと感じた。

今回は洗濯物の量が少なかったので、最短の10分で事足りた。
いつもは何時間もかかる乾燥が、たった10分で終わったことに感動した。しかも仕上がりはふわふわだった。
100円で時間と肌触りを手にすることができるなんて…
ここ最近で一番いいお金の使い方をしたかもしれないと思うほどに満足だった。
毎週末の利用も検討したいほどだった。

今後のために、と改めてそのコインランドリーのサイトを見て知ったことが2つある。

1つは、ウェブ上で洗濯や乾燥の残り時間が確認できること。
1時間近く要する洗濯乾燥機を使用する際には非常に便利な機能だ。

もう1つは、枕は乾燥機にかけてはならないこと。
素材にもよるが、高温での乾燥に耐えられないものもあるらしい。
私が持参した枕はぺたんこすぎて用途がクッションになってしまったのでショックでも何でもないが、もし正規の枕を乾燥機にかけてダメにしてしまったら心がひどく痛むだろう。

その他にも、対応しているもの/対応していないもの等、このコインランドリーのサイトでは取扱いについて非常に詳しく記載が成されている。
ただ訪店した人の内、何割の方がこのサイトに訪れるのだろう。
そしてその内の何割の方が全てに目を通すだろう。
全てに目を通していない私はそう思った。

コインランドリー内にも情報を発信できるようなツールがあると便利ではないかと考えた。

弊社ではこの状況で役立つサービスを提供している。
コミュニケーションロボット・ロボホンとタブレットを連携させるシナリオ作成サービスだ。
タブレットに表示されているものに対応して、ロボホンが声で案内をする。

もしこのコインランドリーにこのサービスが導入されるなら、タブレットには
・利用者が密かに抱えていそうな疑問への回答
・web上で残り時間が確認できるサービスの紹介
・お得なプリペイドカードの案内
・お洗濯の裏技
を表示してほしい。

まず1つ目の、利用者が密かに抱えていそうな疑問への回答。
これは乾燥時間の目安がわからなかった経験から挙げられた。
嵩は一緒でも手ぬぐいとデニムパンツでは乾燥にかかる時間が異なることは容易に想像できる。
薄手の物はこれくらい、厚手の物はこれくらい、と大体でよいので目安を教えてほしい。
またサイト内に点々と書かれていた「○○は洗えません」「○○は乾燥できません」についても簡潔にまとめてほしい。散在しており把握しきれなかった。
その結果、乾燥してはならないと書かれているにも関わらず、それを見落とし、枕を乾燥機にかけてしまう利用客(私)が出てしまった。
洗濯・乾燥できないもの/してはならないものが一目で確認できるような、それだけのためのページが欲しい。
衣類を守る最後の砦となる。

これによって守られるのは利用者の衣類だけではない。
「乾燥機の劣化を速めるから」という理由で、乾燥機の使用が禁じられているものがあったとしよう。
その禁忌を利用客に伝え、正しい利用を心掛けてもらうことで乾燥機をも守ることができる。
禁忌を伝える方法としても「一目で確認できるようなそれだけのためのページ」は役立つ。

ここに書いてあることをロボホンが読み上げてくれたら、利用客は自分で読まずとも内容を知ることができ、施設側はより多くの人に注意喚起できる。
利用客にも施設側にもメリットがあると言える。

次に2つ目の、web上で洗濯・乾燥の残り時間が確認できるサービスの紹介。
この機能を施設内で全くPRしていないのが不思議でならない。
珍しいものではないが、便利な機能だからだ。
これにより時間をうまく活用できる。
せっかくある便利なサービスを紹介しないで何を紹介するんだ!という気持ちである。

3つ目。お得なプリペイドカードの案内。
コインランドリーでよく見るプリペイドカードがこちらでも導入されているようだ。
プラスで50ポイントが付与される1000円分のプリペイドカードらしいが、これはコインランドリーの名前とプリペイドカードをキーワードに検索した結果明らかになった。
コインランドリー内ではカードを購入できそうな機械こそあったものの詳細は明かされていなかった。
一定の頻度で通うのであればこのカードを是非購入したいと思えるのでこちらも人の目につくタブレットに表示してほしい。

最後にお洗濯の裏技。
普通の洗濯機では落ちないと思っていたシミを取る方法、洗濯前の一手間で柔軟剤の香りを長持ちさせられる方法、乾燥機のポテンシャルを120%発揮させられる方法…
あったら知りたくないだろうか。
このコインランドリーのおかげで洗濯の満足度が高まる予感がする。

なかなかボリュームのあるサービスになってしまった。
となると困るのが操作だ。
選択肢が多すぎるとかえって活用できず持て余してしまう。

そんな時こそタブレットの横にちょこんと座るロボホンが活躍する。
「気になる情報をタップしてね」などと、各画面でどのような操作をすればよいのかそっと教えてくれる。
何と気が利く子だろうか。
かわいい声でアシストされたらすべてのページを覗きたくなる。

さらに各ページにまとめられた情報の中でも最も伝えたいことをロボホンに話してもらうと、視覚からも聴覚からも情報伝達が可能となる。
サイトを見るよりはるかに捗る。

またロボホンは人を検知したタイミングで言葉を発することができる。
コインランドリーにお客さんが入ってきた時「お洗濯の前に絶対読んで!」と喋れば、より多くの方に大変有益な情報を提供することができるだろう。

無人の解放感を残しつつも有人の安心感も提供できるのは、私の知る限りではこのシナリオ作成サービスだけだ。
利用者にもコインランドリーにもメリットのあるサービスだと自負している。
興味をお持ちの方は以下から詳細をご確認いただきたい。

シナリオ作成

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