未知(ジャンルの本)との遭遇しちゃう?
この会社の説明会でグループワークが行われた。
図書館に検索機を置くならどのような画面で、どのような機能を備わせるかというテーマで見知らぬ就活生と議論を交わした。
「トップはこのくらいシンプルな方が見やすいよね」「ジャンルで絞れたら便利じゃない?」「全部ひらがなに出来たら、小さい子でも使えるかも」と意見が出る中で私は「読んだことのない本と出合えるような機能が欲しい」と主張した。見事に流された。
高校に上がってから読書量がめっきり減ってしまったが、私はそれまで学校や市立の図書館を利用していた。
ある本を借りて、返却日に返したついでに別の本を借りる流れができていたから読み続けていたが、読みたいと強く思って借りたことがあまりない。
ひどい時には、その時返した本の右隣にある本を借りるルールで読む本を決めていた。
皆読みたい本が存在してから図書館に行くことを決めるのだろう。
私のようにその場で読む本を決める人は少数派なのかもしれない。
だから私の提案は他の就活生の心には響かなかったと考える。
しかし行き当たりばったりな借り方も悪くない。
右隣ルールに従ってある時借りた本には、「水色のコーンフレークのようなもの」が出てきた。
何かしらのタイミングで足元に転がっている設定だった。
舐めるとフルーティーらしい。
足元に転がっていたものを舐めるだとか、水色でフルーティーで見た目はコーンフレークだとか、想像力が乏しい私は未だにあの話は何だったのかと思う。
しかしながらどんな形であれ、10年たった今でも心に残っている。
自分で本を選んでいたらあの描写にはまず出合わなかったであろう。
読みたい本はなくても、これから出合うために図書館に行ってもよい。
図書館は本屋とは異なり無償で本を手に取ることができる。
その利点を大いに活用すればよいと思う。
読んだことのない本との出合いを、もし弊社のサービスで実現させるとしたらを自由に語ろうと思う。
弊社で提供しているサービスにはロボットとタブレットを使用する。
このロボットはロボホンといい、このような見た目をしている。
https://robohon.com/
お喋りが得意な男の子だ。
タブレットで選択されたものに合わせてロボホンがおしゃべりをしてくれる。
このタブレットとロボホンのコンビによって、SFとは無縁の私が、SFものの本を手に取るまでを想像してみよう。
まずタブレットのトップ画面にはジャンルが書かれたボタンを置く。
「ミステリー」「歴史小説」「図鑑」「SF」と表示されたタブレットの横で「普段読まないジャンルを選んでね」とロボホンが言う。
それを聞いた私は「図鑑」と迷って「SF」をタップする。
するとロボホンから「SFのイメージにマッチするものを選んでね」と聞こえてくる。
タブレットに「時間SF」「宇宙SF」「ディストピアSF」と表示されているものを見つめ、数秒停止した後「時間SF」を選ぶ。
舞台は日本か海外か、受賞歴があるかないかなどで好みを絞り、最後に数冊の本とそれが置かれている場所まで教えてもらったら読んでみようと思える。
このように使えば、恩恵を受けるのは優柔不断な人だけではなくなる。
読みたい本を自分で決められる人も、普段読まないジャンルを覗くきっかけになる。
他にもユニークな絞り込み方をさせたい。
ページ数はどうだろう。
毎日寝る前に少しずつ読んで一週間後に返したいという要望にも、時間がたっぷりとれるから楽しみが途切れないように文量が多い本を読みたいという要望にも沿える。
このように独自性を持たせられる点がこのサービスの長所の一つだ。
本に出合うまでロボホンが一生懸命お喋りしてくれているわけだが、そこ図書館だよと心の中でつっこんでいた方はいるだろうか。
本来図書館は私語厳禁の空間。
図書館側も黙々と働いてくれるロボットを欲しているかもしれない。
あえてその禁忌を破りたい。
大声を出せる応援上映が誕生したのもこの禁忌を破った人がいたからだ。
自由に楽しく話しながら読書できる図書館があってもいいだろう。
就活生には刺さらなかった私の意見が今度は誰かに刺さることを願う。
ご興味があればこちらから詳細をご確認いただきたい。